システムキッチンは、シンク(流し台)、ワークトップ(調理台)、コンロ台、収納庫、レンジフード(換気扇)に加え、オーブンレンジや自動食器洗い機などの部材をパーツとして組み合わせ、一枚板で製造されたテーブルトップを乗せた、機能的に一体化したキッチンのことです。
システムキッチンは構成選択の幅が広く、意匠的な統一感が図れますが、部材の取替えが困難というデメリットもあります。日本におけるシステムキッチンの部材は各メーカーで規格が違うため、複数のシステムキッチンメーカーの部材での構成や取替えは通常不可能です。
奥行き寸法は間口の小さいミニキッチンで60cm、一般的なものでは65cmですが、それ以上の大きさを持たせているメーカーもあります。幅は小さいもので90cmほどで、一般家庭用では180cm、240cm、255cm、270cmなどが使われています。システムキッチンの材質としてはテーブルトップ(ワークトップ)がステンレスや合成樹脂、キャビネットは化粧合板や合成樹脂、鋼板等が一般的です。
現在、システムキッチンは、二極化の傾向にあります。以前より小型化されて、単身や調理頻度の高くない世帯用にコンパクトになる傾向があり、従来調理台下にあったダクトスペースを省略して、必要十分な機能のみをそろえるタイプが増えつつあります。もう一つは、これまでの機能に加え、どんどん便利になる食器洗い機や、オーブンレンジなどを取り入れたものです。このタイプは大家族や、ご友人とホームパーティを開くのが好きな夫婦には最適です。
[システムキッチンでより快適に]
日本人の食生活は欧米化に伴い大きく変化してきました。食材の種類はより一層豊富になり、調理方法も様々です。それに伴いキッチンの設備も大きく変化してきました。また昨今の健康志向ブームにより若年層や男性でもキッチンに立つ機会が増えています。
上記アンケートにもあるように、一日平均1〜2時間はキッチンで過ごすということを考えると、キッチンを快適にリフォームする事の重要性もわかっていただけると思います。その上で機能性とデザイン性を兼ね備えた「システムキッチン」は、今後どのご家庭でも必需品となることでしょう。
[広々使えるシステムキッチン]
狭くて食器の置き場所がない! 狭くて複数で料理できない!!
造り付けのキッチンに対する悩みは意外と多く、特に「広さ」に関する不満を良く耳にします。システムキッチンは、コンロ・シンク・調理台・調理器具が効率よく配置されているので、無駄なスペースが少なく、その分稼動できる範囲が広がります。乱暴に見える男性のお料理も、実は「広さ」が関係しているのです。システムキッチンにすることにより、楽しくより快適に料理できご主人がキッチンに立つ機会も増えるかもしれません。
システムキッチンのワークトップの間口は広いほど使いやすいですが、条件により十分にスペースが取れない場合があると思います。そんな時は、奥行を70〜75cmとやや広めに取って奥行きのスペース有効に使い、作業スペースを確保する方法があります。
毎日システムキッチンに立つ奥様にとって、ワークトップの高さは大変重要です。各々の身長に合わせて選ぶこととなりますが、目安としては「身長÷2+5cm」が快適な高さと言われています。JIS規格では、80〜95cmを標準としています。使いやすさの感じ方は個人差があり、システムキッチンとはこれから長い付き合いになるので、ショールームで実物を見てから購入することをお勧めします。
[システムキッチンも部屋の一部]
従来の日本ではキッチンが独立した部屋になっているのが一般的で、居間とのスペースが仕切られ孤立していました。これではダイニングにいる人とキッチンに立つ人とのコミュニケーションがはかれません。欧米では昔から、キッチンは居住スペースのひとつとして確立されていて、キッチンスペースを広く取っているのが一般的です。
「キッチンは汚れている、刃物があるし危ないから独立させたい」という考えは、もう昔のものです。システムキッチンなら生活に合わせて収納範囲が決められるので、出しっぱなしという事が少なくなり、常に清潔で安全なキッチンがつくれます。奥様だけでなくご主人やお子様もダイニングとキッチンを行き来できるようなスペースにしましょう。