システムキッチンを選ぶ(材料・価格編)
システムキッチンを材料と価格で選ぶ>ワークトップ編
[天然石]
天然石はあなたのシステムキッチンの価値観を一層高める高級素材ですが、汚れがしみこみやすい素材なので注意が必要。カウンターとして使われる天然石は花崩岩と大理石がほとんどで、いずれも産地によって様々な種類があり、本磨きの工程を経て、高級感あふれる仕上がりとなります。
[人造大理石]
人造大理石とは天然石のようなデザイン性を持つアクリル(樹脂)系の人工素材です。加工しやすいので、曲線などの変形もでき、人気素材なので各メーカーとも色、デザインが豊富。耐熱温度も通常の調理作業には問題ないですが、高温の鍋を長時間置く場合は、念のため鍋敷きを使用した方が良いでしょう。
[タイル]
カントリースタイルの欧米風システムキッチンにはタイルのワークトップが、よりその風合いを醸し出します。さらに大きさや質感によって表情がかわり、ステンレスには無いぬくもりのあるデザインを実現することができます。その反面、目地がどうしても汚れやすいのが難点です。
[ステンレス]
ステンレスはメンテナンス性や使い勝手が良く、耐熱性、耐汚性、耐水性にすぐれています。価格は安価な普及型の場合はプレスで成形されパターン化されているので、設置に制約があります。受注生産の場合は、1mm程度の板からプレスや曲げ加工を加えて厚みを持たせ、耐水合板で裏貼りするので、自由にレイアウトできますがやや割高となります。
[合成(メラミン)樹脂]
カウンターに使われるメラミン樹脂板は、化粧紙などにメラミン樹脂を含浸させ熱圧成形したものです。人造大理石が普及するまでは、最も一般的なカウンター素材でした。耐熱性は人工大理石にやや劣りますが、自由なサイズとエッジ形状の選択が可能で、価格も安価なので安く仕上げたい方にお勧めです。
システムキッチンを材料と価格で選ぶ>キャビネット編
[天然木(無垢)]
天然木は加工に技術が必要で、他の素材に比べ量産するのが難しいため高価ですが、天然の木にしかない、自然な風合いが楽しめます。さらに複雑な面取りを施せばアンティーク風やクラシック調にする事も可能です。天然木は乾燥加湿により、反りや割れが生じる場合があるため、框(枠)によって反りを抑えたり、強度を増した形状になっています。
[突き板]
天然木を厚さ約0.1mm〜3mm程度に薄くスライスしたもので、主に良質な銘木や木目の美しい木などが原材料として使用されています。天然木の自然な木目柄が楽しめ、無垢材に比べ反りなどが非常に少なく、また重量が軽くなり、表面の塗装によって付加価値をつけやすいという利点があります。
[金属]
ステンレスは表面の仕上げ方により質感・光沢を使い分けられ、システムキッチンをオールステンレスにすることにより、モダンでシックなキッチンスペースをつくる事ができます。他の金属素材ではステンレスより軽い感じを受けるアルミ製の扉あります。
[ペイント(塗装)]
ペイントキャビネットとはMDF(木質繊維板)に不透明塗料で塗装した扉のことで、塗装方法や塗料によって仕上がりのテイストが大きく異なります。水性アクリル塗料をハケ塗りすればDIY感覚のカントリー風に、ポリエステル塗装にバフ磨きを加えた鏡面仕上げならモダンなイメージになります。紫外線を照射して塗料を乾燥硬化させ、表面の硬度が高く劣化も少ないUV塗装もあります。
[合成樹脂]
合成樹脂のキャビネットとはメラミン、フェノール、ダップ、塩ビなどの合成樹脂を、合板や木質圧縮ボードに貼り合わせた樹脂板の事です。耐熱・耐薬品性にすぐれ、硬度もある。色、柄も豊富。一般的にはフラットな面形状ですが、塩ビの場合は凹凸面にも貼れるので、一見框組の扉にも見られます。表面素材が、比較的洗剤、薬品にも強くお手入れが楽なメリットもあります。
システムキッチンを材料と価格で選ぶ>コンロ編
IHクッキングヒーター
(電気コンロ)
ガスコンロ
※電気コンロは光熱費が割高で高温調理にも向きません。
[コンロとは?]
焜炉(こんろ)とは、本来運搬可能な小型の調理用の炉をさして使われていましたが、今日では鍋釜などの調理用具を加熱する燃焼器具又は加熱器具全般の事を言います。電気コンロにはシーズンヒーター式、ラジエントヒーター式、ハロゲランプ式などの種類があり、IHクッキングヒーターは電磁コンロとなります。
[IHクッキングヒーター]
IHクッキングヒーターとは、電気熱源のコンロで、磁力線の働きで鍋の底に電流を生じさせ、鍋を発熱させる調理器具のことです。
IHとは、「induction Heating」の略で、日本語にすると電磁誘導加熱となります。
鉄鍋には電気抵抗があるため、流れる電流が熱に変わり、鍋の底が熱くなります。電気抵抗が少ないアルミの鍋などは、電流は通っても十分な発熱が得られないため、以前は使用できないとされていましたたが、最近では鍋の材質や形状、重さなどの制約が軽減し、市販のフライパンやアルミ片手鍋などが使えるタイプも販売されています。
IHクッキングヒーターは天板が平面なため掃除がしやすく、ガスコンロに比べて上昇気流が少ないため油煙が広がりにくく、コンロ周辺やキッチンの天井などの汚れをおさえ、キッチンの清潔感を保つ効果があります。また、電気コンロ同様に燃焼式ではないため、室内の空気を汚さない、及び防火対策などのメリットもあります。
安定した加熱管理制御を得意とするため、スープなどの液体の加熱に適している反面、鍋釜等をガラストップ(コイル)から遠ざけてしまうと、誘導加熱および鍋釜等の温度検出ができず加熱を停止させてしまうため、フライパンを使った場合に調理ムラを生じ易いといったデメリットがあります。
[ビルトインガスコンロ]
プロパンガス(LPG)や都市ガスなどの可燃性の気体を燃料とするコンロのことです。
システムキッチンとして使用する据え置きタイプの物は、火力の調節が楽で、炒め物などの高温を必要とする調理から、煮物などの弱火を長時間用いる調理にまで、幅広く用いる事が可能です。
システムキッチンとして組み込まれた(ガスコンロの上面と手前操作部のみ露出)状態で固定されたものをビルトインコンロと呼びます。またコンロ手前に組み込まれたグリル機能のあるコンロをガスレンジと呼びます。上位機器としてコンロ台にあたる部分にガスオーブンレンジを組み込んだものもあります。ガステーブルはガス栓からガスホースにより接続された移動が容易なコンロをさします。
[ビルトイン電気コンロ]
電気コンロとは電流をニクロム線などの、高い電気抵抗のある伝導体に通して、ジュール熱を発生させて調理する器具です。
煮物や長時間の加熱向きで、炒め物などの高温を必要とする調理には向かない方式なのですが、工事費や設置費が安く抑えられるメリットが大きいことから、ワンルームマンションなどの賃貸集合住宅を中心に多く用いられてきました。
かつてはニクロム線が露出している製品が多く、この場合通電中の電気回路が露出していることになり漏電や感電の危険性があったため、今日ではこのニクロム線を非伝導性(電気絶縁性)の素材で覆った上で、金属製の被覆を被せたものが主流となっています。
電灯線などの電力インフラさえあれば利用できるため、使う場所を選ばないメリットがある一方、消費電力も大きく運用コスト面での課題が残ります。